病院の非常用発電機は「動く」だけでは足りません
病院にとって停電は、
単なるインフラトラブルではありません。
それは「医療の停止」を意味します。
非常用発電機があるから安心。
年1回の試運転で動いたから大丈夫。
本当にそうでしょうか。
法定点検による点検業者任せでは病院は守れません、
少なくとも月1回の無負荷運転を行いましょう。
シーケンスの不具合で非常用発電機が自動起動(給電)
できなかった場合には、手動で送電するための操作の確認
もしておけば万全です。
② 現場で見てきた現実
私は700床規模の第三次救急指定病院で
8年間、選任の電気主任技術者として勤務してきました。
非常用発電機は確かに“回る”。
しかし問題はそこではありません。
実負荷を想定していない試験
燃料劣化の見落とし
自動切替時の瞬断確認不足
想定外回路の未接続
増設機器による容量超過
「動く」ことと
「医療を守れる」ことは別問題です。
③ なぜ問題が起きるのか
構造的な理由があります。
設備管理は管理会社任せ
更新判断は価格優先
経営層は技術的詳細を把握しきれない
選任技術者が孤立しやすい
多くの病院では
“全体を俯瞰して設計思想まで見られる人”がいません。
結果として、
点検はしているが本質的な検証がされない状態になります。
④ 本当に必要な視点
重要なのは
「この設備は本当に医療を守れる設計になっているか」
という視点です。
負荷優先順位の再確認
容量の再検証
切替シーケンスの実地確認
更新計画の妥当性評価
病院の電気設備は
“安全装置”ではなく“医療基盤”です。
⑤ 私が独立した理由
私は現場で、
「もっと早く第三者視点が入っていれば」
と感じる場面を何度も経験しました。
管理会社でも施工会社でもなく、
病院側に立った専門家が必要だと考え、
病院専門の電気設備コンサルタントとして独立しました。
⑥ まとめ
非常用発電機は
「動く」ことがゴールではありません。
本当に問うべきは
“医療を守れる設計になっているか”
です。
もし少しでも不安がある場合は、
一度、客観的な視点での確認をおすすめします。